花粉症 病気のガイド

病気のガイド

花粉症とは?

花粉症とは、植物の花粉が原因で生じる季節性アレルギー性疾患の総称です。患者数は年々増加傾向になっています。

 

1.原因

スギをはじめとする風によって花粉を運ぶ植物(風媒花)は虫などが花粉を運ぶ植物(虫媒花)よりも多量の花粉をつくり、花粉が遠くまで運ばれるので花粉症の原因になりやすいと考えられています。原因となる花粉の種類は多く、日本ではこれまでに50種類以上の原因花粉が報告されています。 このような花粉症を引き起こす風媒花には、樹木ではスギやヒノキの他にシラカンバ、ハンノキ、ケヤキ、コナラ、ブナ、オオバヤシャブシなどがあります。草本ではカモガヤなどのイネ科の花粉症が多くなってきていますが、他にブタクサ、ヨモギなどキク科の植物があげられます。主な花粉の飛散時期つまり症状が出現する時期はスギ、ヒノキなどの樹木では春が中心ですが、イネ科の場合は初夏に、キク科の場合は真夏から秋口に飛散します。

 

2.発症の仕組みと症状

鼻の機能は呼吸する空気の加温、加湿、防塵です。花粉が鼻粘膜からはいると表面についた花粉は鼻の粘膜の上皮細胞にある線毛がベルトコンベアのように働く事により鼻の外に運び出されます。運び出されなかった花粉は鼻の粘膜に付着し、抗原成分を鼻粘膜にしみこませます。鼻の粘膜の中にはアレルギーの細胞である肥満細胞があります。スギ花粉症患者さんの場合にはスギ花粉に対するIgE抗体が肥満細胞のまわりに結合しています。このIgE抗体が溶けだしたスギ花粉の抗原成分を捕らえて結合して肥満細胞が活性化し、反応を生じます。その結果、放出されたヒスタミンが鼻粘膜表面の神経を刺激し、くしゃみを起こし反射的に鼻汁の分泌を生じさせます。さらにヒスタミンは血管を刺激して鼻づまりの症状を引き起こします。繰り返しスギ花粉との接触が多くなると、花粉症の症状は強まります。結膜も肥満細胞上のIgE抗体と結膜の表面で溶けだしたスギ抗原成分が結合してヒスタミンが放出されます。ヒスタミンも同じく結膜表面の神経を介して痒みを生じ、反射性に涙の分泌が増え、神経の過敏によって異物感が強くなります。掻痒感が強い場合にはドライアイという乾く目の病気の合併の可能性があります。厚生労働省の研究班の調査ではスギ花粉症では発熱などの全身症状はすくないものの、口の渇き、咽の違和感、皮膚のかゆみなどの鼻や眼以外の症状を訴える方も多いことが分かって来ています。

 

3.検査

血液検査でアレルギーに関連性の深い好酸球やIgE抗体などを測定します。また、鼻汁の好酸球を顕微鏡で確認する場合もあります。そのほかには、鼻の反応をみる「鼻粘膜誘発テスト」や皮膚の反応をみる「プリックテスト」、「皮内テスト」などの検査も行います。

 

4.治療

花粉症の治療は他の鼻や眼のアレルギーの治療と基本的には同じですが、急激に花粉にさらされるため、急性の強い症状への配慮も必要となります。治療法を大きく分けると、症状を軽減する対症療法と根本的に治す根治療法の二つがあります。 対症療法: 内服薬による全身療法 点眼、点鼻薬などによる局所療法 鼻粘膜への手術療法 根治療法: 原因抗原(花粉など)の除去と回避 減感作療法(抗原特異的免疫療法) 対症療法として抗ヒスタミン薬(第一世代、第二世代)、化学伝達物質遊離抑制薬、ロイコトリエン拮抗薬などの内服や点鼻、点眼、そしてステロイド薬の点鼻、点眼などが組み合わせられます。鼻の症状ではくしゃみ、鼻汁が強い症状の場合は第2世代抗ヒスタミン薬が多く使われます。鼻閉が症状の主体である場合にはロイコトリエン拮抗薬がよい適応となります。

 

初めに~花粉症の疫学と治療そしてセルフケア~(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/ookubo.html)を加工して作成