胆嚢腺筋腫症 消化器症状 病気のガイド

病気のガイド

胆嚢腺筋腫症

1.胆嚢腺筋腫症とは

胆嚢壁のびまん性あるいは限局性の肥厚を特徴とする病変で、胆嚢の粘膜上皮が胆嚢壁の筋肉の層にまで憩室様嵌入したRokitansky-Ashoff洞(RAS)と呼ばれるものが増生したものです。病理組織標本上、長さ1cm以内に5個以上のRASが増生していて、その部位の壁が3mm以上肥厚している病変を指します。胆嚢を摘出した症例の約10%に認められています。
胆嚢腺筋腫症は病変の部位や広がりから、主に3つの型に分類されています。すなわち、胆嚢の底部を中心に限局した腫瘤を形成する底部型(限局型)、胆嚢の頚部や体部に全周性の壁の肥厚をきたし、内腔が狭くなっている分節型(輪状型)、胆嚢壁全体にRASの増生が及びびまん性の肥厚を認める広範型(びまん型)の3つです(図1)。

2.症状

一般に無症状で経過して特有の症状はないことが多く、腹部超音波検査(エコー検査)などで偶然発見されますが、胆嚢内や胆嚢壁に結石(胆石)を伴い胆嚢炎を発症すると、右上腹部の違和感や痛み、吐き気、腹部膨満感などを伴うことがあります。

3.診断

主に画像検査で行われ、特に腹部超音波検査が最も簡便で有効な検査法です。RASの増生により肥厚した胆嚢壁内に小さな袋状の無エコー領域として描出されますが、壁内に結石を伴ったり、RAS自体の多重反射によりコメット様エコーと呼ばれる高エコー像として描出されたりすることもあります。
胆嚢壁が肥厚するため、胆嚢癌との鑑別診断が必要になり、EUS検査(超音波内視鏡)、CT検査(コンピュータ断層撮影)、MRI検査(磁気共鳴撮影)、ERCP検査(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)などを行う場合があります。また、胆汁中の細胞検査を行う場合や血液検査でCA19-9やCEAなどの腫瘍マーカーを参考にすることもあります。

4.治療

胆嚢腺筋腫症の診断がなされても無症状の場合には積極的な治療は必要ありませんが、胆嚢結石や胆嚢炎を伴い、腹痛などの症状を認める場合には胆嚢摘出術の適応となります。また、胆嚢癌との鑑別診断が困難な場合にも手術を行うことがあります。
手術方法には通常の開腹手術による胆嚢摘出術と腹腔鏡を用いた腹腔鏡下胆嚢摘出術があります.どちらを選択するかは、胆嚢壁肥厚や胆嚢の炎症の程度により判断することになります。胆嚢腺筋腫症のみであれば、手術後の予後は良好です。