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胆嚢癌

胆嚢にできた癌を胆嚢癌という。最近では、画像診断の進歩により早期に発見されることも増えている。60歳以上に多く、男女比は1:2~3と女性に多い。胆嚢癌の半数以上に胆石を合併し、胆道癌(胆嚢癌と胆管癌)の発生と膵胆管合流異常(膵管と胆管が十二指腸壁外で合流する先天性の奇形)との関係も知られている。
胆嚢癌は早期のうちはほとんど症状が現れないことが多いが、胆嚢結石を合併している場合、胆石の症状(疝痛など)がみられることもある。進行してくると、右上腹部の痛み、食欲不振、体重減少、黄疸の出現などがみられる。
腹痛や黄疸などの自覚症状が有る場合、まず血液検査と腹部超音波検査を行う。初期の胆嚢癌では血液検査上に変化は現れにくいが、進行すると胆道系酵素など肝機能の異常がみられる。癌の可能性が疑われる場合、CEAやCA19-9などの腫瘍マーカーを調べ、これらの値が上昇しているかどうか確認する。腹部超音波検査では胆嚢内の数mm以下の微小な病変についても発見が可能であり、胆嚢癌は胆嚢壁の隆起や不整な壁肥厚として描出される。10 mmを超える胆嚢ポリープについても癌が存在する可能性がある。癌の大きさ、リンパ節・胆管・血管・肝臓などへの浸潤や他臓器への転移などをみるために、CT検査、超音波内視鏡検査(EUS)、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)、MR胆管膵管撮影(MRCP)、腹部血管造影などの検査が行われる。
胆嚢癌の病期(進行程度)はI期からIV期までに分類される。唯一の根治的な治療法は手術である。病期の進行に伴い、切除する範囲・臓器が広くなり、高度進行例では完全に不可能になる場合もある。こういった高度進行例には放射線治療や化学療法などが行われる。黄疸や消化管の通過障害がある場合、胆汁や食物の流れを良くする目的で姑息的手術(バイパス手術など)を行うこともある。胆嚢癌外科治療後の5年生存率は、I期は90.1%、II期は74.0%、III期は41.9%、IVa期は24.0%、IVb期は5.4%である(第34回日本胆道外科研究会アンケート調査)。

胆嚢癌の病期と治療法

病期

治療法

I期:癌が粘膜あるいは筋層内にとどまっている。リンパ節転移はない。 胆嚢摘出術
II期:胆嚢のすぐ近くだけに(1群)リンパ節転移がある。あるいは癌浸潤が筋層をこえるが、漿膜・肝実質・胆管にとどかない。 胆嚢と胆嚢に接する肝臓の一部と胆嚢の近くのリンパ節を切除
III期:胆嚢からすこし離れた(2群までの)リンパ節転移があるか、あるいは漿膜浸潤、軽度の肝浸潤、右側の胆管浸潤のいずれかがみられる。 胆嚢と胆管、肝臓の一部とリンパ節を切除。胆汁の通り道を再建する。
加えて、膵頭部や十二指腸の切除を行うことも有り。
IV期の中でも特に進行したものは切除不能。
IV期:胆嚢から遠い(3群)リンパ節転移がある、あるいは肝浸潤や胆管浸潤が高度であったり、腹膜や遠隔臓器に転移している。